身体表現性障害の実態把握|辛抱強い支えが鍵

ウーマン

重病に対する恐怖心の克服

女性

体でなく心の病気の認識を

身体のどこかに痛みが続いたり吐き気やめまいといった症状が頻繁に発生したりする場合、自分は病気ではないかと疑うのは当然の心理です。しかしながらその思い込みが強くなりすぎると、病院で検査を受けて異常なしと診断されても納得できません。検査では発見できない重病が隠されているのではないかという不安に取り憑かれてしまいます。そうした重病や奇病に対する恐怖心は心気症の典型的な症状です。心気症は身体表現性障害として総称される心の病気の1つで、20代を中心とした若い世代で多く発症します。身体表現性障害には他に身体化障害や疼痛性障害・転換性障害・身体醜形障害といった病気が含まれています。全般には男性よりも女性の発症例が圧倒的に多いのですが、心気症は男女とも同程度に発症しています。さまざまな身体症状やその背後に隠されている重病への恐怖感は、すべて心から来ていると認識することが何よりも大切です。そうは言っても独力で心の病気を認めるのは簡単でありません。内科で検査を受けて異常が見つからなくても、その検査結果と医師の説明を信じることができなければ苦痛も消えないのです。心気症を含む身体表現性障害は心の病気なのですから、治すのにも心の医療を専門とする病院やクリニックを受診することが必要になります。心療内科や精神科では、一般内科の検査で異常なしと診断された患者さんの治療を担当しています。

恐怖感から解放される方法

身体表現性障害の中の心気症とは、言ってみれば重病恐怖症とも表現できる心の状態です。この恐怖心を解消させるためには、原因となっている身体症状の改善に加えて恐怖を和らげるための心理療法も必要となります。痛みや機能不全などの身体症状も、精神的なストレスが原因で発生している例が多いものです。精神科医は患者さんの話をよく聞きながら、ストレスの種類や症状との関連性を見極めます。一般の内科とはまったく違ったアプローチで症状の原因に迫りますので、身体には何の異常もないと言われるよりははるかに説得力があります。一連の身体症状の原因が人間関係のストレスにあるという例も少なくありません。そうした患者さんに対しては、対人関係療法も有効です。ストレスの原因となった人間関係を整理し、特定の人物に対する接し方をシミュレーションすることで身体症状が解消した患者さんも多くいます。心療内科や精神科でも一般の内科と同じように薬を処方することがあります。心気症では身体不調や痛みに対する不安と恐怖心が強いため、抗不安薬などの薬が効果を発揮します。患者さんによってはうつ症状が見られる場合もありますので、その場合は抗うつ薬が処方されます。身体表現性障害に伴う病気への恐怖心は、心療内科や精神科での治療によって克服することが可能です。そのような症状に悩んでいる人は、精神科医に一度相談してみるといいでしょう。